それでも、意地悪な君が好き。
「でも、香織だって江崎くん変わって良かったと思うでしょ~?」
「それはそうだけど…
でも、江崎くんもともと綺麗な顔してたしね」
茜に質問に応えつつも、
元が良いのは本人の持つものだから、あたしはやっぱり関係ないと思った。
ほんの少しのきっかけを作ったにすぎないと…
「ふ~ん…
お前、江崎みたいなのがタイプなんだ…」
「えっ?
いや…その…かっこ良いと思うよ」
ついさっきまで寝ていたはずのハル。
起きてたんだ…
そんな風に思う間もなく、いきなり話しかけられたもんだから素直に応えてしまった。
まぁ…好きって言ったわけじゃないしね。
「今の本当…?」
あたしとハルの会話を聞いていたのか、顔を真っ赤にして立っているのは江崎くん。
「あっ、うん…」
いつから居たんだろう…
不思議に思いながらも、本人を前にして否定する事なんて出来なかった。
「ふふ…嬉しい…
あっ、今日は一緒に日直だから放課後よろしくね!
楽しみだなぁ…」
「う、うん…分かった!」