それでも、意地悪な君が好き。
日直かぁ。
楽しみなんて江崎くんは偉いなぁ…
今日は遅くなるだろうけど仕方ないか。
あたしのクラスでは隣の席の男女ペアが日直をする。
日直の仕事は、日誌を書いたり放課後の教室を掃除したりと…帰宅までに結構時間がかかる。
「なんか…変じゃない?」
「あたしもそう思う…」
和花と茜が何かを心配したように話している。
「なんの事?」
二人の会話の意味が分からないあたし。
「うん…勘違いかもしれないけど…
放課後気をつけなよ?」
「えっ?うん…分かった!」
言葉を濁す和花に、とりあえず返事はしたけれど…
本当は二人が不安になっている意味が全然分からなかった。
「ハル…?」
自分の席に戻った江崎くんを睨み付けるように見つめているハル。
「バーカ」
あたしに視線を戻し、ため息混じりそう言ったハルはまた寝る体制に入った。
どうしたんだろう…
みんな様子がおかしいなぁ…
そう思いながらも深く考える事はしなかった。