それでも、意地悪な君が好き。
好きだから
「お疲れさま」
「うん。お疲れさま
あたし日誌出してくるから、江崎くんは先に帰ってて」
オレンジ色に染まる教室。
放課後、無事に日直の仕事を終えたあたし達。
結局、みんな何を心配してたんだろう…
平凡に過ぎていった時間に疑問を感じながらも、何もなかった事にホッとしていた。
「俺も一緒に行くよ…」
「あっ、気にしないで帰っていいよ」
「じゃあ…教室で待ってるね」
「いや…でも…」
なんだろ…
帰り道も逆方向なのに…
よっぽど心配性なのかな…
「菊地さんは俺が守ってあげなきゃいけないから…」
「えっ!?」
何かの冗談かと思って江崎くんの表情を確認するも、至って彼は普通で、たまに見せる笑顔に恐怖を感じた。
おかしい…
絶対変だ……