それでも、意地悪な君が好き。
クローバーの秘密
「香織大丈夫?やっぱり保健室行こう?」
珍しく朝から体調の悪かったあたしは一時間目を過ぎた頃には、かなり熱が上がっていた。
「う~ん。
そうしようかな…」
そして、すでに限界だったため、和花に寄り掛かるようにフラフラと教室を出た。
「代わる…」
教室をちょっと過ぎた辺りで後ろからハルの声が聞こえた。
「あっ、うん。
香織の事よろしくね…」
意識がもうろうとする中、うっすら聞こえる和花とハルの会話。
「ハル……ありがと…」
フラフラなあたしをハルの大きな手が包みこむ。
フワッと宙に浮き上がる体。
暖かい温もりに意識が薄れていく。
「なんで学校休まないんだよ。
まったく」
「ハルに…逢いたい…から…だよ」
あたし…
今なんて言ったんだろう…
なんで宙に浮いてるのかな……
そっかぁ…夢の中なんだ
あたしを見つめてるのは誰……
ハルか……
幸せな夢だなぁ………
「お前、なにこんな時に冗談……
………………………
可愛いすぎるんだよバカ…
本気にするだろ…」
スースーと寝息をたてるあたしにハルは小さくため息をついた。