それでも、意地悪な君が好き。
教室までの廊下を歩いていると、
窓から心地好い風が入ってきた。
天気も良くて暖かい陽射しが射し込んでいる。
気持ち良いなぁ。
そんな風に思いながら、
外を眺めゆっくりと歩いていると…
「ん?ハル!?」
中庭のベンチで、横になり寝ているハルの姿が視界に入ってきた。
木の陰に隠れていているそのベンチは目立たない所にあり、
保健室にでも行かないかぎり教室からは見えない。
要するに、ハルからしたら絶好のサボりスポットだろう。
そして、あたしの中では1つの謎が解けた。
午後の授業でたまに姿を消すハル。
不思議に思っていたけれど、きっとこれが答え。
辺りを見渡し、誰も居ないのを確認したあたしは窓から外に飛び降りた。
病み上がりにしては動けるな…
なんて、自画自賛しながらハルの寝ているベンチに向かった。