それでも、意地悪な君が好き。






足音をたてないように、そっとハルに近づいた。

スースーと寝息をたてながら気持ち良さそうに寝ている。


可愛い…


教室ではうつ伏せで寝ているため、ハルの寝顔は滅多に見ることが出来ない。




長いまつげにすーっと伸びた鼻筋、細く綺麗な顔のライン。


寝顔までかっこ良いなんてズルいよ…


覗きこむようにじっと見つめる。

きっと何時間見ていても飽きる事はないだろう…




ん?なんだろ…


ふと、ハルが胸の上で握っている物が目に入った。



あっ………




寝ながらも、大事そうに握られたそれは

四つ葉のクローバーのしおり。



微かに見えるだけなのに、拳の中から覗くのは間違いなく

あたしの宝物だったクローバーのしおりだった…








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