それでも、意地悪な君が好き。






どうしてそんな大事そうに握っているの…


ハルの手を見つめていると、キュッと締め付けられるような胸の痛みが襲う。





「わっ!」


急に抱き寄せられた体に思わず声を出してしまった。



ハル!?


寝てたんじゃないの?





顔が見えないため、ハルの様子が分からない。

視界に映るのは、握られたクローバーのしおりだけ…

あたしの耳元からはドクドクと弾むハルの心臓の音が聞こえる…


近すぎるハルの温もりにあたしの心臓はバクバクと激しくなっていた。




「あんまり見つめんなよ…」




「えっ…」



胸元にあたしを引き寄せたまま、離そうとしないハル。


どうしよう……


起きてたんだ…



誤魔化しが効かない状況に緊張が走る。





「お前何で学校来たの?」


「それは……」




ハルに逢いたかったからだよ……



あれ…?

なんかこの会話…


夢の中でしたような………







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