それでも、意地悪な君が好き。
「俺が持ってたって…知ってたのか?」
動揺するハルに、あたしはそっと頷いた。
「そっか…」
何かを諦めるように大きく息を吸うハル。
「ねぇ…どうしてハルが持ってるの…
どういう事なの…」
決心したあたしはずっと思っていた疑問をハルにぶつけた。
「やっぱり…何も覚えてないんだな…」
「うん…」
ハルは何か思い出したように切なそうに笑った。
「約束は…覚えてる…?」
「小さい頃の…?」
「そう…
まぁ今となっては子供のお遊びに過ぎないけどなっ!」
手に持つ四つ葉のクローバーのしおりを眺めながら、小さく笑うハル。
そうか…
やっぱりあの時、宝物を交換したのはハルだったんだ。
子供のお遊びね…
確かにそうかもしれない。
でもハル…
もうしわくちゃで、今にも破れそうなのに…
それでも大事に持っていてくれているって事は、約束を信じていたからなんでしょ?
本当はハルだってお遊びなんて思ってないんだよね…