それでも、意地悪な君が好き。
『ハルくん…?』
つないでいた手をいきなり離されたあたしは、驚いてハルの顔を覗きこんだ。
そんなハルは顔を真っ赤にして黙りこんでいた。
『ハルは香織の事が好きだってみんなに言ってやろうぜ~』
黙るハルに追い討ちをかけるように、同級生の男の子達はあたし達を見てからかっていた。
『ハルくん、行こう…』
あたしはそんな彼らを睨みつけ、ハルの手をとりその場から立ち去ろうとした。
『好きじゃねぇーよ!!』
『痛っ……』
ハルを掴む手が勢いよく離された。
その衝撃で、あたしは腕を痛めてしまった。
『ごめっ……』
腕を押さえるあたしに心配そうな表情のハル。
『ほら!!やっぱりハルは香織が好きなんだぁ~!』
『ッ……嫌い…
こんなやつ大嫌いだ!!』
追い詰められる状況に
拳を握りながら…ハルはそう叫んだ。