それでも、意地悪な君が好き。
『ハル…くん?』
『僕は香織ちゃんが大嫌いなんだ。
だから、もう一緒に遊びたくない』
滲んでいく視界で周りがよく見えないのに…
いつもは優しいハルの目が
あたしをきつく睨んでいる事だけははっきり分かる。
初めて見たハルの恐ろしい視線に涙が止まらなかった。
『なんで…そんな事…言う…の…』
『うるせーな。
嫌いだからに決まってるだろ!』
『約束…したのに…』
溢れる涙を拭きながら
救いを求めるようにハルをじっと見つめるあたし。
でも…そんな視線はすぐに反らされてしまった。
『約束?勘違いするなよな…
僕じゃないし…は、晴人だよ』
どうして…
なんでそんな嘘をつくの…