それでも、意地悪な君が好き。
『違うよ…ハルくんだもん!
香織が好きなのはハルくんなの‼』
『ッ……』
悔しそうにうつ向くハル。
『ハル!あっちでサッカーしようぜ』
『そうだよ!男子だけで遊ぼうぜ~』
さっきまでからかっていたはずの男の子達が、何故か手のひらを返したように態度を変えていった。
『帰れよ‼』
ハルに押された衝撃で
ドンッとしりもちをついてしまった。
『嫌だ!』
それでも、あたしは痛みをこらえながら必死に抵抗した。
『とにかく、約束なんかしてないからな!
僕は香織ちゃんが大嫌いなんだ。
もう話しかけないでよ』
『本当に…香織の事が嫌いに…なったの?』
目を合わせる事なく頷くハル。
『約束もハルくんじゃないの…?』
『そうだよ!だから帰れ!』