それでも、意地悪な君が好き。
「殺すよ?」
一瞬で静まりかえる一帯。
ざわざわしていた野次馬もハルの出すオーラから口を紡いだ。
ハルに腕を掴まれている女の子も、恐怖からか泣き出してしまう始末。
「ハル…
何があったのか分からないけど、
そんな言い方はないんじゃないの?」
沈黙を破るように
晴人はハルに掴まれている女の子の手をほどく。
「やっぱりお前には任せられないな…」
そう呟くと、ハルは野次馬を掻き分けて歩いて行ってしまった。