それでも、意地悪な君が好き。
「あの、えっと…」
パニックで言葉が出ない。
「お前が泣くから…」
困ったように頭をかきながら視線を反らすハル。
気にしてくれてたんだ…
ハルの意外な言葉に体の力が抜ける。
「もう平気だから…
それにハルが言ってた事
当たってるし…」
ハルは一瞬、驚いた顔を見せた。
「晴人は…
お前の事…
そこら辺の女と同じように思ってないから安心しろよ…
無謀なんかじゃねぇ…から
ってか俺…
二度も泣かせたな…」
二度も?
最後にボソッと呟いた事の意味は分からなかったが
晴人の事に関してはハルなりの精一杯のフォローだろう。
あたしも分かってる。
あたしは晴人の特別な…妹のような存在だって。
「ありがとう…ハル」
笑顔を向けるあたしにハルは少し戸惑っている感じだった。
そして小さく笑った。