それでも、意地悪な君が好き。






「今日はありがとう…」




帰り道。

ハルとこうして二人で歩いたのはいつぶりだろうか…

大きくなってからの記憶にはない。


それだけ、あたし達の距離は離れていたんだと改めて感じた。







どうしてこんな風になってしまったのかは
いまだに分からないけれど

でも、今こうしてハルと居る事に違和感はなかった。





ハルに意地悪されて
苦手だと思っていた時間も

あたしの中で当たり前のような時間になっていたからかもしれない。


別にM的素質があるわけじゃないけどね。




良い意味でも悪い意味でも
ハルの存在があたしの中で大きい事は確かだった。






「罪滅ぼしってやつ?

にしてもバカ過ぎて大変だったけどな」




ハルの意地悪…


でも、なんだかんだ優しいのかもしれない。




「もう少し勉強します…」




はっ?少し!?なんてバカにしてくるハルだけど



ひさしぶりにハルらしい笑顔を見た気がして

ちょっと安心した。






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