それでも、意地悪な君が好き。
「何突っ立ってんだよ」
ボーッと戦場を見るしか出来ないあたしの背後からハルの声がした。
「あっ、ハル…」
振り向くも
すでにあたしは戦意喪失していて
今日は諦めようかなぁ。
なんて思っていた。
「何食いたいわけ?」
「コロッケぱん…
でも、もういいかなぁなんて…」
目が回りそうな景色にため息が出る…
「ほんとお前は色気ねぇーなぁ…
ちょっと持ってて」
そう言うと、
暑くて脱いだのか
持っていたセーターをあたしに渡し
人だかりの中に消えて行った。