それでも、意地悪な君が好き。
「ほらっ」
ハルは戻ってくるなり
ビニール袋の中からパンを1つ取ると
あたしに差し出した。
あっ、
コロッケぱん…
あたしの分まで買ってきてくれたんだ…
「ありがと…」
ハルからコロッケぱんを受け取り
持っていたセーターを渡した。
「あとハル…これ」
生徒手帳も渡そうとした時だった。
先に気付いたのか
ハルは
あたしが手に持つソレを奪うように取り上げた。
ビックリしてハルを見ると
なんとも言えない険しい表情をしていた。