それでも、意地悪な君が好き。
あっという間に教室の前まで着いた。
「また授業中に寝るなよ」
爽やかに微笑みながら、子供をあやすようにあたしの頭を撫でてくる晴人。
クラスも別なのに、どうして分かるのか不思議なほど当たっている。
「ねっ、寝ないよ
じゃあね‼」
頭を撫でられた事?
図星だから?
一気に顔が熱くなる。
当たり前のような顔で頭を撫でたり、優しく扱ってくるんだもん。
それがあたしの心をドキドキさせてる事なんて知らないから
本当困るよ。
恥ずかしさを隠すため
晴人の前ではちょっとだけ強気になったり、
素っ気ない態度をとったりもする。
そんなあたしを見透かすようにクスッと笑い
じゃあなと言って自分の教室に向かって行く晴人。
完敗だ。