それでも、意地悪な君が好き。
晴人…?
そっと添えるようにあたしの頭を撫でながら
固まるあたしに優しく微笑む晴人。
すると、
魔法をかけられたように触れられた部分が熱くなってくる。
ドキドキと止まる事のない胸の高鳴り。
そっと近づく晴人の視線。
吸い込まれそうなほど綺麗な瞳。
もしかして…
この状況って………
キ…ス……?
そう思った途端、心はなぜだか複雑に揺れた。
どうしよう…
…っていうかなんで迷ってるの?
揺れる気持ちからか、
無意識に視線を外してしまった…
と、同時にリビングのドアが開く音が聞こえた。
あたしはそれを誤魔化すように音のした方へ視線を移した。
視線を上げると、
なんとも言えない冷めたような目で
あたし達を見下ろすハルの姿があった。