それでも、意地悪な君が好き。
ハル!?
ハルからの冷い視線に胸の奥でヅキッとした痛みが走った。
「邪魔したな…」
無表情のまま小さく呟くハル。
「ハル…
あの、これは違うの!
転んじゃって…その」
頭の中はごちゃごちゃで
テンパって自分がどんな弁解をしたのか分からない。
あたしなんでこんなに焦ってるんだろう…
それ以上何も言わないハルはあたしの弁解もむなしく静かにリビングを出て行ってしまった。
ヅキヅキと痛む胸は拍車がかかるように苦しくなる。
「香織大丈夫?」
固まるあたしを心配する晴人。
あっ‼
あたしまだ晴人の上に乗ったままじゃん
「晴人ごめん!」
思い出したように現実へ戻ると
慌ててハルの上から降りた。