それでも、意地悪な君が好き。
第2章
揺れる思い
生暖かい風に揺られる教室のカーテン。
教室は半袖に衣替えした生徒が増え
季節は春から夏になろうとしていた。
夏休みが近づくにつれ、校内は浮かれた生徒達の声に拍車がかかるように賑やかになった。
そんなあたしはというと…
焦りと不安が混ざった複雑な日々をすごしていた。
あの日から、ハルとはあまり話していない…
なぜハルが四つ葉のクローバーのしおりを持っているのかも
聞けず…
晴人と密着していた件が誤解だという事も言えず…
モヤモヤした気持ちが消えないまま学校生活を送っていた。
ハルはというと、
あたしに対して特別冷たいわけでもなく…
優しいわけでもなく…
前みたいに接する事がなくなった…
意地悪されてた頃が懐かしく感じるくらい
あたしはハルの空気のような存在になっていた。