それでも、意地悪な君が好き。
ハルにはもうひとつ変化があった…
ハルは寄ってくる女子には
来るもの拒まずと言った状態でイチャイチャしている。
昔から女子との噂が絶えないハルだったけれど
一回でも体の関係が持てればそれは特別な女の証。
なんて女子の間では当たり前の話しらしく…
そんな中、
抱かれた特別な証を持つ女子が現れたとかで…
優しくなったハルに
今まで恐れ多くて近づく事も出来なかった女子達が
チャンスとばかりにその位置を狙い出した。
そんな事もあってか
前にも増してハルの噂を耳にするようになった。
というわけで…
あたしがハルに近づこうものならば
殺気に満ちた女子達に睨まれる次第で
なかなか話す機会も作れなかった。
「おう…」
めんどくさそうに
聞こえるか聞こえないかくらいの言葉を発するハル。
ひさしぶりに合わされた視線も一瞬で反らされる始末。
あたし
完全にうざがられてる…
空気読めよとばかりに
冷たくされたあたしを見てクスクス笑う取り巻き。
笑い声の飛ぶ中、握る拳に汗が滲んだ。
ここで諦めたら
ハルとまた話せなくなるかもしれない…
また前のようにハルと話せなくなるのは嫌だ…