それでも、意地悪な君が好き。
辺りがオレンジに染まる頃、
部活動で校庭を走る生徒の声も聞こえなくなった。
静かな教室。
聞こえるのはあたしのため息だけ…
ハル来なかったな…
まぁ一方的に呼び出したわけだし…
来ないのもしょうがないか。
諦めた気持ちの中、
ボーッと黒板を見つめていた。
その時だった。
「俺、来るなんて言ってないけど…」
いきなりかけられた声に体がビクッと震えた。
声のするほうを見ると
教室の入り口に手をかけ、ダルそうに立っているハルの姿があった。
ハル…
「でも…
来てくれた…」
久しぶりのハルとの会話に笑みが溢れた。
はぁ~。
と大きなため息をつきながらあたしの隣りに座るハル。