それでも、意地悪な君が好き。
「そんなに寂しかった?」
悪い笑顔のハル。
なんだかいつもの様子と違う。
心を読まれた事にもびっくりしたけれど
妙に色っぽいハルの視線にゾクッと体が震えた。
「ハ…ハル!?」
カタンッと倒れる椅子の音が静かな教室に響く。
冷めた表情で近づくハルに
あたしは窓際まで追い詰められた。
もて遊ぶかのように
緩く巻かれた髪に触れるハルの指先。
そのままあたしの唇を撫でながらクスッと笑う。
獲物を捕らえたように逃げる事を許されない視線。
ドクンッドクンッ
と高鳴る心臓の音はハルにまで届きそうなくらい激しさを増した。
瞬きも忘れてしまいそうなほど綺麗な顔…
動きを止めたあたしに
ハルの唇がゆっくり近づいた。