不器用ハートにドクターのメス

けれどそれも、さすがに限度があるだろう。

果たして自分にそういった大人の行為ができるかと尋ねられれば、自信がないというのが本音だ。

けれど、ずっと合わせてもらったままというわけにはいかない。

飽きられてしまう可能性だってある。いい加減覚悟を決めて、一歩を踏み出さなければいけない。

パソコンの画面を、無意識のうちに睨みつけながら、それに、と真由美は思う。


それに……怖いけれど、本当は。

先生となら一歩進みたいなって、わたしは、心のどこかでーー


「……っ、」


うっかりはしたない妄想を脳内で繰り広げてしまい、職場でなんてことを考えているんだと、真由美は真っ赤になった顔を、目元まで覆い隠したのだった。




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