いつか孵る場所
至がそんな事を言うから透はハルを意識しまくっていた。

− あ… −

勉強の合間に手を見つめるとシャープペンシルを持つ手が震えている。

手を止める度に思い出すのはハル。

柔らかい笑みを浮かべるフワフワとした印象の女の子。

妹想いの、健気な…。

透は一瞬、目を閉じると大きく息をして目を開けた。

手にぐっと力を入れる。



− 決めた −



このままじゃ、自分は前に進むことが出来ない。
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