いつか孵る場所
「さあ、着いたよ」

透のその言葉に真由は我に返る。

少しの間、遠い昔の思い出に浸っていた。

「ありがとう」

真由はそう言うと正面玄関で降りようとするとホテルマンがドアを開けてくれた。

普段、絶対にありえない光景。

リッチだなあ、なんて思う。

今年の同窓会は人数が多すぎてホテルを借りたらしい。

やるなあ、幹事。
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