いつか孵る場所
「その…彼氏とかは?」

焦って思わず聞いてしまった。

ハルは少しだけ目を大きく開いて

「…今は微妙」

「…いるの?」

明らかにテンション低めの声を出してしまった真由。

「会社の人がね、付き合おうと言ってくれるんだけど…」

ハルの表情が曇った。

「いい人だけどね。踏み込めない。…なんて言っていいのかわからないけれど」

「気が進まなければ止めておいた方がいいよ!」

真由は必死に言うとハルはクスッと笑って

「平野さん、何だか私の保護者みたい」

「えええっ!」

焦る真由は必死になって誤魔化そうと考えるが、

「ありがとうね。今はまだやっぱり答えを出さないでおくわ。明日、食事に誘われていたけれど…」

「うんうん、そうして!」

真由が何度も首を上下に振るので声を出して笑うハルだった。
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