いつか孵る場所
軽く目を閉じる。
ハル、どうしてあんな風になるまで放っておいたのかな、とか。
仕事中に倒れたっていうけど、何の仕事だろう?、とか。
くだらない考えが浮かんできて透は目を開けた。
両手で目を擦る。
全く眠気がない。
このまま、勤務に入っても全然問題ないくらい、興奮しているのがわかる。
自分の脈を取ると速い。
− 情けないなあ… −
ハルの存在がこれほど自分を不安定にさせるとは。
− 好き、なんだろうな… −
でも、今更。
それを出せる訳がない。
ハルはハルの人生がある。
自分がそこへ介入出来るなんて、思えない。
これが大学卒業してすぐなら、思いきって飛び込んだと思う。
あまりにも時間が経ちすぎた。
「透先生、お願いします」
また救急患者が来るようだ。
透は頭を左右に振って要らない妄想を押し退け、椅子から立ち上がった。
ハル、どうしてあんな風になるまで放っておいたのかな、とか。
仕事中に倒れたっていうけど、何の仕事だろう?、とか。
くだらない考えが浮かんできて透は目を開けた。
両手で目を擦る。
全く眠気がない。
このまま、勤務に入っても全然問題ないくらい、興奮しているのがわかる。
自分の脈を取ると速い。
− 情けないなあ… −
ハルの存在がこれほど自分を不安定にさせるとは。
− 好き、なんだろうな… −
でも、今更。
それを出せる訳がない。
ハルはハルの人生がある。
自分がそこへ介入出来るなんて、思えない。
これが大学卒業してすぐなら、思いきって飛び込んだと思う。
あまりにも時間が経ちすぎた。
「透先生、お願いします」
また救急患者が来るようだ。
透は頭を左右に振って要らない妄想を押し退け、椅子から立ち上がった。