いつか孵る場所
- なにこれ、脅しだし、さらし者みたい -

透の周りにはお店でマシンのセッティングをしていた真由の子供4人と店長と社長と。

「はよせえ」

店長の住吉 光はバリバリの関西弁で急かした。

「彼女、待ってる可能性大やって!はよ飯食う前に電話したれよ」

「は…はあ」

光の勢いに押され気味な透。

「ふっふっふ、俺がセリフ考えましょうか、先生?」

社長の柏原 祥太郎がニヤニヤしながら言う。

「遠慮させて頂きます」

数々の女を泣かしてきたと真由やその子供達から聞かされているのであまりアドバイスして欲しくない。

透は大きく深呼吸をしてスマホを触った。

− 早くこの場から逃げたい −

公開処刑さながらの、この場をとにかく逃げたしたい。

− 頼むから電話に出てくれ、ハル… −

透は必死に祈った。
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