いつか孵る場所
「私も透が好き。何度も忘れようとしたけれど…まさかまた会うとは思わなかった」

でも…、と続けてハルは目を伏せた。

「でも?」

透は顔色1つ変えず、続ける。

内心はドキドキしているが。

「色々不安がある」

その目にも不安が色濃く出て、溢れている。

「…僕はね」

意を決した。

「これからハルと結婚を前提にお付き合いしたいと思う。確かにハルを不安にさせる要素が沢山あるけれど僕の時間が許す限り、解消していきたい」

透はハルが不安になる事くらい、自分でもよくわかっている。

年齢的にも付き合う≒結婚であるし、ハルが透の両親を敬遠しているのも。

「ハルさえ良ければ、僕と一緒にいて欲しい」

自分のワガママだということは百も承知。

「…不安だらけ」

ため息混じりにハルは苦笑いをする。

− ダメかなあ… −

透はあくまで感情を外に出さずに自分の中に押し込めた。



「私なんて大して出来る事がないけれど、透が必要としてくれるなら、こちらこそ宜しくお願いします」
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