いつか孵る場所
前はいつ、ここで寝ただろう…

時計を見ると午前3時。

ロフトにある布団の中で透は伸びをした。

隣には小さな寝息を立てるハル。



昨日、あの後は二人で他愛のない話で盛り上がり、時間も遅くなったのでそのまま一緒に寝る事にした。

勿論、ハルの体調はまだまだなので、透は手を出していない。

ただ、ハルを抱き寄せて目を閉じる。

それだけで1ヶ月分の睡眠が取れたような気がした。



ただ…。
この先、いくつも超えなくてはいけない壁がある。
それを考えると気が滅入りそうになる。
自分に極端にない物。

それは…。


震動音に気が付いて透はスマホを手に取る。

「はい、今から行きます」

そう言って切ると寝ているハルの頭を撫でた。
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