いつか孵る場所
熱いなあ…。
抱っこしたナツは異様な熱さだった。
電車で5駅先にある総合病院。
電車に乗る前に電話を入れてある。
透の兄、至に。
父親に頼むよりは頼みやすい。
ただ、10歳離れているから微妙な距離感で小さいときからずっと悩んでいる。
最も、悩んでいるのは透だけかもしれないが。
「どうぞこちらへ」
受付に事情を説明すると、話が通っていたみたいですぐに内科診察室前を案内された。
そこでハルは書類に必要事項を記入し、付いてくれていた受付の女性に返す。
しばらくして名前を呼ばれて入ると、診察室には至がいた。
「友達?」
至は椅子に座るように指示をして透を見つめた。
「うん、高校の同級生。妹がかなり高い熱を出したみたいだけど、近所の病院は閉まってるし、頼れるのは兄さんかなぁって…」
語尾のトーンはどんどん低くなり、ボリュームも小さくなる。
完全に畏縮してしまった透に至はクスッと笑って
「頼って頂けて光栄です」
控えめに言った。
抱っこしたナツは異様な熱さだった。
電車で5駅先にある総合病院。
電車に乗る前に電話を入れてある。
透の兄、至に。
父親に頼むよりは頼みやすい。
ただ、10歳離れているから微妙な距離感で小さいときからずっと悩んでいる。
最も、悩んでいるのは透だけかもしれないが。
「どうぞこちらへ」
受付に事情を説明すると、話が通っていたみたいですぐに内科診察室前を案内された。
そこでハルは書類に必要事項を記入し、付いてくれていた受付の女性に返す。
しばらくして名前を呼ばれて入ると、診察室には至がいた。
「友達?」
至は椅子に座るように指示をして透を見つめた。
「うん、高校の同級生。妹がかなり高い熱を出したみたいだけど、近所の病院は閉まってるし、頼れるのは兄さんかなぁって…」
語尾のトーンはどんどん低くなり、ボリュームも小さくなる。
完全に畏縮してしまった透に至はクスッと笑って
「頼って頂けて光栄です」
控えめに言った。