あの日


外に出ると優人が待っていた。


「おはよ」


あたしは優人のことをシカトして歩いた。もちろん話したくない訳じゃなくて藍斗の事で頭がいっぱいいっぱいだった。

「なぁ、加奈…?」

あたしは優人がいたことにびっくりして、咄嗟に言い出してしまった。


「なんでいきなりいなくなったの…」

「ねぇ…答えて…」


「あれは…親が離婚して…!」


その時初めて全てを知った。

あたしは勘違いをしていた。


“嫌われていなくなった”のではなく“複雑な家庭環境”だったのだと。
< 7 / 11 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop