泡恋
「みほ…いままでありがとう。本当に感謝してる」
ほぼ2年間おせわになった親友の美穂とその家族に別れを告げている。
「かりん…ずっとここにいていいんだよ?」
「そうよ。かりんちゃん。」
美穂と美穂の母親は口々にあたしを引き止める。
「ううん…もう決めたから、あたしは強く生きるの。今まで貯めたお金で」
止めようとする美穂の家族に自分の生き方を説明して、あたしは歩きだした。
「かりん!!」
美穂が叫んだ
「いつでも遊びにきてね」
もうあえなくなるわけでもないし、あたしが暮らし始めるアパートは美穂の家から徒歩5分ぐらいなのに美穂は涙ぐんでいた。
「当たり前!!」
あたしはピースサインを見せると、ゆっくりと…でも確かな足取りで美穂の家を後にした。