泡恋
しばらくしてあたしは待合室に呼ばれた。
あたしの前には3人いたから診察室に呼ばれるのはまだ先だろう。
この病院は入院もできて設備も綺麗だし、サバサバとした性格の女医さんが何より人気があった。
家からは少し遠いが、翔に頼んでここにかかりつけることになった。
あたしの目の前を涙を浮かべた表情で、今にも崩れ去ってしまいそうな少女が通った。
外見はギャルっぽくて、メイクも濃いのに、その表情だけはあどけなかった。
その少女はロビーに歩いていった。
あたしはなんとなくその少女が気になってしかたがなかった。