泡恋

「…ありがとうございました」

小さくそれだけ言うと、あたしは診察室を後にした。


彼氏が反対して産めない─…
その彼氏は自分の愛している人との子供なのにどうしておろせなんて言うの…?
そんな簡単に命を奪っていいの…?

モヤモヤとした気分のまま、お金を払い、次の予約をして産婦人科を出た。


< 50 / 68 >

この作品をシェア

pagetop