泡恋


最後の出勤の夜…

店長にはすでに言ってある。

君みたいな女の子はもっと平凡に生きるべき…そう言ってくれた。



あたしの最後の客は、あの桐谷さんだった。


「最後だから上乗せするよ」

ヤッたあと、桐谷さんはそう言うとあたしに5万渡して帰っていった。


「こんなに…」

なぜかわからないけど涙が出た。


その1時間後、あたしは店を後にした。

もう、二度と戻ってくるつもりはない。



その日、あたしは買い物に言った。

ギャルらしさはあるが、風俗らしくない…普通の高校生ぐらいの女の子が着るような服をたくさん買った。


それから、髪の毛は栗色に染め直しストレートをかけた。


ハレンチな下着を辞め、リボンつきはフリルなどの可愛らしいものを買った。


桐谷さんからもらったあの5万円で、あたしは新しいあたしに生まれ変わった。


< 9 / 68 >

この作品をシェア

pagetop