さくらの花が舞う頃に




「私にとってはおでこも初めてだったんです。

それを『そんなこと』呼ばわり?

これだから、私は先生のことが好きになれないんです」



さくらはそう言い捨てると、大股で教室に戻って行った。




ったく、俺なにやってんだよ。



今更ながら、自分の未熟さに気づく。



昨日、少しだけ縮まったさくらとの距離は、あっけなく元に戻ったのだった。










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