さくらの花が舞う頃に
「あ、あの。申し込みの名簿、見せてもらえますか?」
近藤先生から名簿を受け取り、見間違いがないかチェックする。
もしかしたら申し込んだ人が一人くらいはいるかもしれないし。
ところが、名簿には見事にバツが並んでいた。
「…………」
なんて言えばいいのかわからず、無言で近藤先生の顔を見つめる。
「いや、いいんですよ。だれも僕の授業なんか受けたくないことくらいわかってますから。
だから僕のことは気にしないでください。はい、僕は大丈夫ですから……」
なんかものすごくネガティブになっている。
もう一度名簿を確かめようと思い、名簿を見る。
すると、一人の生徒の名前のところに目がとまった。