さくらの花が舞う頃に




………よくよく考えたら、これって壁ドンだよな。



一瞬、そんなことが頭をよぎったけど、構わず口を開く。



「わかった。じゃ、こうしよ?
 
さくらがこの補習受けてくれたら、俺は二度とお前に関わんない。

近づきもしないし、必要以上に喋んない。これでどう?」



もちろんそんなことするわけがない。



さくらに嘘をつくのは気が引けるけど、こうでもしないとさくらと話せないし。



………って俺、まじで考え方が男子中学生だわ。



そんな自分に心の中で苦笑する。



さくらはじっとそんな俺を見ていたけど、やがて静かに言った。




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