さくらの花が舞う頃に
「ばれた?」
しかたなくそう言うと、さくらが「しょうがないなあ」と言いたげな表情になった。
「補習やりにきたのに、休憩なんてほんとはダメでしょ」
さくらに痛いところを突かれたけど、平然と言い返す。
「勉強するのに休憩もたまには必要なんだよ。
ちゃんと休まないと、そのうちガチで頭パンクすっから」
「うっわ。先生がそんなこと言っちゃっていいの?」
「ばーか。俺、去年まで大学生だったから、たぶんどの先生よりも生徒の気持ちわかってると思うよ?」
「自分で言ってるし………」
こんなふうにさくらと話してるときが一番楽しいかも。
散々言い合って、二人で笑い転げてるうちに時刻は19時をまわっていた。
「おい、さくら。そろそろ帰んないとやばくね?」
さくらは腕時計を見ると、驚いたような声をあげた。