さくらの花が舞う頃に
「じゃあ次は女子の選抜リレー。
だれかやりたいやついねー?」
実行委員の男子が教壇から言った。
足の速さに自信のある女子が続々と立候補する。
「この調子だとすんなり決まりそうだね」
隣にいた結衣が俺に言う。
夏休みから、俺と結衣は一応「付き合ってる」という感じになったらしい。
らしい、というのは付き合ったからといって特に何もしていないからだ。
結衣はその先のことを期待してるみたいだけど、俺はそんなことするつもりはない。
だから結衣にそう言われても、