さくらの花が舞う頃に
あー、だれかやんねーかな。
なかなか決まらない様子に実行委員もすっかり困り果てている。
俺はさくらを見た。
リレーのアンカーなんてさくらがやるとは到底思えなかったけど、
なぜかさくらの方を見てしまった。
さくらはじっと前を見据えている。
やっぱりやるわけねーよな。
そう思いながらさくらから視線を外したそのとき。
「私やります」
凛とした声を放ちながら手をあげたのは、なんとそのさくらだった。