さくらの花が舞う頃に




一度溢れ出た涙は、とどまるどころかどんどん溢れていく。



好きだった。



自分が思っていた以上に、先生のことを好きになってる自分がいた。



あんなに嫌いだったのに、会うたびに先生の優しさに触れてどんどん惹かれていった。



だから………………だから、こんなにショックが大きいのかな。



先生は私のこと好きなんだから、って心のどこかでは自惚れてた。



だけど、違った。



いつまでも先生が私のことを想ってくれてるだなんて虫が良いにも程がある。







バンッ





また外で花火の音が鳴り響き、生徒たちの歓声が聞こえた。



今ごろ、みんな楽しんでるだろうな。




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