さくらの花が舞う頃に
その瞬間、本当に申し訳なさで胸がいっぱいになった。
「ごめん!ごめんなさい!」
私は土下座するくらいの勢いで頭を下げた。
クラスメイトの名前も覚えてないだなんて………
失礼にも程がある。
「いいって。俺と大橋さん、あんま話したことなかったし。
俺は、戸山 大貴(とやま だいき)。改めてよろしく」
戸山くんがそう言って微笑んだ。
きりっとした顔立ちは、笑うととても人懐っこい可愛い顔になった。
「大橋さん、何かあったの?
大橋さんが泣いてるとこなんて初めて見たんだけど」
だけど、すぐに現実に引き戻される。