さくらの花が舞う頃に
それでも何とか切り抜け、やっと自分のデスクに辿り着くことができた。
できれば体育祭のことは聞きたくない。
特に後夜祭。
後夜祭のことを聞くと、嫌でもさくらのことを思い出してしまう。
昨日の後夜祭で、さくらが必死になって俺に告白してくれた。
一学期から想っていた気持ちがようやく実った瞬間だったのに。
俺はあいつの気持ちに応えることができなかった。
それどころか、思ってもないことを言ってさくらを傷つけてしまった。
全ては結衣が撮った「あの」一枚の写真のせいで。
結衣にこの気持ちがバレなければ………いや、俺があんな軽率な行動をしなければ、
こんなに悩むこともなかったのかもしれない。