さくらの花が舞う頃に




「そ、それに僕なんかにはもったいないですよ。

吉澤先生みたいな素敵な人が僕の………その、か、か、か、か、彼…氏だなんて」



「はあ?」



なに言ってんのこのオッサン。



俺が「まだ好き」って言ったのはさくらのことで……



そこまで考えてやっとある考えに辿り着いた。



まさかこの人………



「いや、でも安心してください!僕も先生のことが好きです。

そ、そうだ。先生って呼び合うのも堅苦しいから、お互い下の名前で……」





…………ゲイだな。



俺は一言でそう断定すると、そのまま無言でその場を去った。



なんかこの数分で、近藤先生が独身の理由がそれとなくわかった気がした。




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