さくらの花が舞う頃に


さくらside


「やっぱり目立つかな………」



登校早々、一目散に入った女子トイレの個室で手鏡を見ながら私はため息をついた。



昨日あんなに泣いたから、目がぷっくり腫れている。



一応水で洗って、目立たないように下を向いて登校してきたんだけど。



「やっぱりわかるよね………」



手鏡を見ながら、私はもう一度ため息をついた。



こんな顔だったら、きっとメグと佳奈が心配する。



それに、二人には好きな人を教えると昨日約束してしまった。



勘の良い二人のことだから、この顔を見て私が振られたことくらいすぐにわかるだろう。




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