さくらの花が舞う頃に
まじで俺、何やってんだよ。
さくらのために自分の気持ちを抑えるだとか、そんな偉そうなこと思ってたくせに、
結局さくらのこと傷つけてんのは全部俺じゃん。
「バカすぎんだろ、俺………」
「そうよ、やっと気づいたの?」
いきなり声がしたと思ったら、教室の入り口に結衣が立っていた。
「………結衣」
「案外、裕翔ってバカだね。
自分から突き放したくせに、今さらショック受けてんだもん。マジウケるし」
結衣がバカにしたように鼻で笑った。
「お前っ…………!」