さくらの花が舞う頃に
そのとき、俺は結衣に対して初めて「怒り」という感情が生まれた。
俺は大股で結衣に近寄る。
「………お前ふざけんなよ!どこまで人の邪魔すんだよ!?
そもそも、お前があんな写真撮ってなければ、今頃こんなことには………」
「あのさぁ、裕翔は私を悪者に仕立てあげたいみたいだけど、
ちょっとでも私の気持ち考えたことあんの!?
私がなんでこんなことしてるか知ってる?なんでこんなことしてんのか、裕翔は知ってんの!?」
「知ってるわけねーだろ。そんなん知りたくもない」
俺がそう言い放つと、結衣はじっと俺を見てため息をついた。
「………変わってないな、昔から。
成績優秀で、スポーツ万能。おまけにルックスもスタイルもよくて、当然女子からは大人気。
それなのに、女心は全然理解してない。幼なじみである、私の気持ちでさえも」
「………何が言いたいんだよ」